教員情報
プロフィール
- 氏名
成瀬 尚志 / NARUSE Takashi
- 職名
特任講師
- 生年月
1974年8月
- E-mail
naruse
- 専門分野
分析哲学、認識論、リスク論
自己紹介
これまで英米系の分析哲学に関心があり、「ことば」と「世界」がどのような関係にあるのかについて研究してきました。私たちが世界を認識するときに、私たちの用いている「ことば」がどのような影響を与えているのか、また、それが「真理」や「存在」といったものとどのように関わっているのかについて考えています。哲学のおもしろいところは、哲学的な議論によって今見ているこの世界が全く異なって見えるようになるところです。そのような刺激的な議論に出会えたときには本当にわくわくします。
また、数年前から大学の教育改革にも携わってきました。大学での教育を本当の意味で学生のための教育にするために、学生の目線に立った教育改革に取り組んできました。学生が自分自身の成長を実感することで、大学で学ぶ楽しさを感じられるような大学作りを目指しています。
最終学歴
1998年3月 同志社大学文学部文化学科哲学及び倫理学専攻 卒業
2002年3月 神戸大学大学院文学研究科哲学専攻 修了
2007年3月 神戸大学大学院文化学研究科文化構造専攻 単位取得退学
取得学位
課程博士(学術、神戸大学)2007年
教育活動
[教育実践に関する発表・講演など]
甲南女子大学看護リハビリテーション学部「実習指導をデザインする臨床実習指導者育成コース」オープンクラス「「学生理解論」」担当
[その他特筆すべき事項]
神戸大学大学院人文学研究科大学院GP「古典力と対話力を核とする人文学教育」コーディネーター(平成20~22年度)
研究活動
[最近5年間の研究]
- 学生が正課内外で主体的に学ぶことができるような大学教育を構築するために実践的に取り組んできました。特に、これまで座学が中心であった大学教育において、学生たちが能動的に、そして、学生同士がコミュニケーションをとりながら学ぶことができるような仕組み作りを行ってきました。
- 英米系の分析哲学における認識論や科学哲学に関心があり、W.V.O.クワインの認識論と存在論の検討を通して、物理主義や自然主義がどのような立場であるのかを明らかにすることを目指して研究してきました。特に「真理」、「規範」、「証拠」が自然主義の中でどのように扱われているかを検討することで「われわれはいかにして世界を知るのか」という認識論的問題に取り組んでいます。
- 科学技術に関するリスク評価において、市民や社会的弱者の立場を考慮したリスク評価のあり方を倫理的な観点からどのように基礎付けできるかについて研究しています。今後は、市民参加型のリスク評価について、具体的なリスク評価の場面を想定しながら、その意義と問題点を検討していきたいと考えています。
所属学会
- 日本哲学会
- 日本科学哲学会
- 応用哲学会
- 関西哲学会
主要研究業績
[論文]
- 「認識論における二つの規範性について―クワインの議論を中心に」, 『愛知』、(神戸大学哲学懇話会), 第17号, 44-52頁, 2005年.
- 「クワインの近位説(proximal theory)」, 『愛知』(神戸大学哲学懇話会), 第18号, 65-78頁, 2006年.
- 「ストラウドによるクワインの自然化された認識論批判の検討」, 『アルケー』(関西哲学会), 第15号, 117-127頁, 2007年.
- 「クワインにおける物理主義と行動主義の整合性について―観察文の定義の変遷をめぐって」『愛知』(神戸大学哲学懇話会), 第19号, 71-82頁, 2007年.
- 成瀬尚志, 藤木篤「アスベスト問題における聞き取り調査の意義 : 一人称視点からのリスク評価」, 『21世紀倫理創成研究』(神戸大学大学院人文学研究科倫理創成プロジェクト), 第2号, 84-98頁, 2009年.
- 「クワインの真理観」, 『愛知』(神戸大学哲学懇話会), 第21号, 71-83頁, 2009年.
- “What is a rational risk evaluation? ―maximin principle and decision-making under uncertainty”, Proceeding of the 1st International Conference in Kobe: Applied Ethics and Applied Philosophy in East Asia, Kobe University, 2010, pp. 15-21.
[学会発表]
- 「クワインにおける観察文と刺激の関係について」、日本科学哲学会第37回大会、京都大学、2004年10月3日
- 「クワインにおける「真理」と「保証された信念(warranted belief)」について」、日本科学哲学会第38回大会、東京大学、2005年12月3日
- 「ストラウドにおける「世界」概念の批判的検討」、関西哲学会第59回大会、神戸大学、2006年10月21日
- 「翻訳の不確定性と物理主義」、日本科学哲学会第41回大会、福岡大学、2008年10月18日
- (ワークショップ)「「アクション・リサーチ」によるリスク論の探究―アスベストによる健康被害の問題を手がかりに―」、第1回日本応用哲学会、京都大学、2009年4月25日(提題者として)
- “What is a rational risk evaluation? ―maximin principle and decision-making under uncertainty”, 1st International Conference: Applied Ethics and Applied Philosophy in East Asia, 2010年7月26日
- “What does “the protection of the weak” mean in risk evaluation? : The case of konjac jelly in Japan”, The 4th Workshop on the Encounters of Young Scholars on Asian Studies ( Jan 5-9, 2010), 2011年1月8日
[翻訳]
- 『科学大博物館—装置・器具の歴史事典』橋本毅彦, 梶雅範, 広野喜幸監訳, 朝倉書店, 2005年(共訳)
- シュレーダー=フレチェット著『環境リスクと合理的意思決定――市民参加の哲学』,松田毅監訳, 昭和堂, 2007年(共訳)
- ドナルド・デイヴィドソン著『真理・言語・歴史』, 柏端達也監訳, 春秋社, 2010年(共訳)
科学研究費補助金・その他の競争的研究経費
平成20-21年度 科学研究費補助金(若手研究B)「クワインにおける「真理と保証された信念」について―物理主義の解明に向けて」研究代表