長崎外国語大学 セクシュアル・ハラスメントの防止等のために教職員が認識すべき事項についての指針

平成12年4月1日制定

第1 セクシュアル・ハラスメントを行わないために教職員が認識すべき事項

1 意識の重要性  人と接するときの意識の重要性
(1)お互いの人格を尊重しあうこと。
(2)お互いが大切なパートナーであるという意識を持つこと。
(3)相手を性的な関心の対象としてのみ見る意識をなくすること。
(4)異性を劣った性として見る意識をなくすること。

2 基本的な心構え
(1)性に関する言動の受け止め方には、個人間や男女間、その人物の立場等によって差異があり、セクシュアル・ハラスメントに当たるか否かについては、相手の判断が重要であること。
① 親しさを表すつもりの言動であったとしても、本人の意図とは関係なく相手を不快にさせてしまう場合があること。
② 不快に感じるか否かには個人差があること。
③ この程度のことは相手も許容するだろうという勝手な憶測をしないこと。
④ 相手との良好な人間関係ができていると勝手な思い込みをしないこと。
(2)相手が拒否し、又は嫌がっていることが分かった場合には、同じ言葉を決して繰り返さないこと。(3)セクシュアル・ハラスメントであるか否かについて、相手からいつも意思表示があるとは限らないこと。セクシュアル・ハラスメントを受けた者が、上司、指導教員等との人間関係を考え、拒否することができないなど、相手からいつも明確な意思表示があるとは限らず、拒否の意思表明ができないことも少なくないが、それを同意・合意と勘違いしてはならない。
(4)勤務時間内又は職場内におけるセクシュアル・ハラスメントにだけ注意するのでは不十分であること。例えば、職場の人間関係がそのまま持続する歓迎会、ゼミナールの酒席等の場において、教職員が他の教職員、学生等にセクシュアル・ハラスメントを行うことについても同様に注意しなければならない。

3 セクシュアル・ハラスメントになり得る言動
(1)職場内外で起きやすいもの
① 性的な内容の発言関係
○ 性的な関心、欲求に基づくもの
・スリーサイズを聞くなど身体的特徴を話題にすること。
・聞くに耐えない卑猥な冗談を交わすこと。
・体調が悪そうな女性に「今日は生理日か」、「もう更年期か」などと言うこと。
・性的な経験や性生活について質問すること。
・性的な風評を流したり、性的なからかいの対象とすること。
○ 性別により差別しようという意識等に基づくもの
・「男のくせに根性がない」、「女には仕事を任せられない」、「女性は職場の花でありさえすればいい」、「女は学問などしなくとも良い」などと発言すること。
・成人に対して、「男の子」、「女の子」、「僕、坊や、お嬢さん」、「おじさん、おばさん」等と人格を認めないような呼び方をすること。

② 性的な行動関係
○ 性的な関心、欲求に基づくもの
・ヌードポスター等を職場に貼ること。
・雑誌の卑猥な写真・記事等をわざと見せたり、読んだりすること。
・職場のパソコンのディスプレイに猥褻な画像を表示すること。
・身体を執拗に眺め回すこと。
・食事やデートにしつこく誘うこと。
・性的な電話をかけたり、性的な内容の手紙、Eメールを送りつけること。
・身体に不必要に接触すること。
・不必要な個人指導を行うこと。
・浴室や更衣室等を覗き見すること。

○ 性別により差別しようという意識等に基づくもの
・女性であるというだけでお茶汲み、掃除、私用等を強要すること。
・女性であるというだけの理由で、仕事や研究上の実績等を不当に低く評価すること。

(2) 主に職場外において起こるもの
○ 性的な関心、欲求に基づくもの
・性的な関係を強要すること。職場やゼミナールの旅行の宴会の際に、浴衣に着替えることを強要すること。
・出張への同行を強要したり、出張先で不必要に自室に呼ぶこと。
・自宅までの送迎を強要すること。
・住居等まで付け回すこと。
○ 性別により差別しようという意識等に基づくもの}
・カラオケでのデュエットを強要すること。
・酒席で、上司、指導教員等のそばに座席を指定したり、お酌やチークダンス等を強要すること。

4 懲戒処分
セクシュアル・ハラスメントの言動に抵触した場合は、就業規則第38条により「懲戒処分」に付されることがあることを十分認識すること。

第2 就労上又は修学上の適正な環境を確保するために認識すべき事項

1 セクシュアル・ハラスメントについて問題提起をする教職員・学生等及び関係者をいわゆるトラブルメーカーと見たり、当事者間の個人的な問題として片付けないこと。

2 セクシュアル・ハラスメントに関する問題の加害者や被害者を未然に防止するために、周囲に対する気配り及び必要な次の行動をとること。
(1) セクシュアル・ハラスメントが見受けられる場合は、注意を促すこと。
(2) 被害を受けていることを見聞した場合には、声をかけて相談に乗ること。
被害者は、「恥ずかしい」、「トラブルメーカーとのレッテルを貼られたくない」、「仕返しが怖い」等の考えから、相談をためらうことがある。被害を深刻にしないように、気がついたら、声をかけて気軽に相談に乗ることが大切。

3 職場においてセクシュアル・ハラスメントがある場合には、上司等(相談員等)に相談することをためらわないこと。

第3 セクシュアル・ハラスメントに起因する問題が生じた場合に教職員に望まれる事項

1 基本的な心構え(認識)
(1) 一人で我慢しているだけでは、問題は解決しないこと。
(2) セクシュアル・ハラスメントに対する行動をためらわないこと。

2 セクシュアル・ハラスメントの被害を受けたと思うときに望まれる対応(行動)
(1) 嫌なことは相手に対して明確に意思表示をすること。
セクシュアル・ハラスメントに対しては毅然とした態度をとること、はっきりと自分の意思を相手に伝えること。しかし、背景に職務上の上下関係や直接相手に伝え難い場合も考えられ、そうした場合には手紙等の手段をとる方法もある。
(2) 信頼できる人に相談すること。
① 同僚や友人等、身近な信頼できる人に相談してみる。
② 学内の委員会に相談する。
③ 学内の相談員に相談する。
④ 相談に際しては、セクシュアル・ハラスメントの発生した日時・内容等及び第三者の証言を得ておくことが望ましい。

第4 学生等への指導

本学の学生等が対象となるセクシュアル・ハラスメントの防止等については、学生等の心身の発達段階、社会的立場等を十分に考慮して、本指針の趣旨を理解するよう努めなければならない。また、学生等間のセクシュアル・ハラスメントの防止等についても同様とする。


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