南フランスの大港湾都市マルセイユに約6年間滞在していました。照りつける太陽のもとで、なぜ日本から遠いこの街にいるのか自分に問いかけることが何度もありました。大学1年生の時に、政治中心の歴史とは異なる、人々の生活に密着した「社会史」という研究があるのを知り、フランスがその研究の中心でした。大学の近くにあったアテネ・フランセや東京日仏学院にも通い始め、フランスで出版された教材を使い、熱心なフランス人の教師による授業はとても刺激的でした。その後も、図書館の隅で勉強を少しずつ続け、何とか奨学金を得て、29歳からフランスに留学ができるようになりました。
首都パリの歴史はこれまで広く日本でも紹介されてきましたので、フランス第二都市のマルセイユを研究対象として選択しました。フランス滞在中はいくつもの他の地域を訪れ、フランスの豊かさに触れることができました。景色はとにかく素晴らしい国でした。こうした実体験が現在でも研究を続けていく、あるいは授業を準備する力の源になっています。
1997年3月 明治大学文学部史学地理学科西洋史専攻卒
2000年3月 明治大学大学院文学研究科史学専攻博士前期課程修了
2004年7月 エクス・マルセイユ第1大学(プロヴァンス大学)大学院地中海ヨーロッパの歴史・文化研究科史学専攻DEA(高等専門研究)課程修了
2008年3月 明治大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程満期退学
2011年5月 エクス・マルセイユ第1大学(プロヴァンス大学)大学院地中海ヨーロッパの歴史・文化研究科史学専攻博士課程修了
修士(史学、明治大学)2000年
DEA(史学、エクス・マルセイユ第1大学―プロヴァンス大学)2004年
博士(史学、エクス・マルセイユ第1大学―プロヴァンス大学)2011年
[担当科目]
明治大学文学部「フランス史」、「原書講読」、明治大学商学部「総合学際演習(フランス語)」など
[教育方法・内容の工夫]
パワーポイントを活用したスライド併用の授業。DVDなどの映像資料も、随時利用(「フランス史」)。
[その他特筆すべき事項]
日仏在住のフランス人の若者にアンケート調査を行った(「総合学際演習(フランス語)」)。
[最近5年間の研究]
近年は主に、公共交通の視点から、19世紀以降のフランスにおける都市化の歴史を研究しています。
(1)具体的には、現在のフランス諸都市で復活の目覚ましい路面電車(トラムウェイ)の歴史を研究しています。路面電車が郊外に発展していくにしたがって、 人口がどのように増加し、人々の生活にどのような変化がみられたのかを研究しています。
(2)併せて、国勢調査などを史料として用いて、フランスの人口問題についても調査しています。他のヨーロッパ諸国よりも早く人口が停滞した、フランスの人口の特徴を明らかにしてきました。
(3)マルセイユ、リヨン、ボルドー、トゥールーズ、リール、ストラスブールなどの地方都市の視点からフランス史を考察しています。パリ中心のフランス史とは異なる歴史を目指しています。
2011年5月にプロヴァンス大学に提出した博士論文、L'impact du réseau de tramways sur la population marseillaise (fin XIXe-début XXe siècle), [マルセイユ住民に及ぼした路面電車路線網の建設の影響]をフランスで出版する準備をしています。