『赤いくじ』 清張の朝鮮体験 (昭和30年)

 松本清張は召集され、朝鮮に赴く。彼は衛生兵であった。短編『赤いくじ』の舞台は1944年(昭和19年)の秋から終戦直後までの朝鮮である。登場人物は二人の軍人と塚西恵美子という出征軍人の若い妻である。軍人の一人は歴戦の勇者である楠田と、もう一人は高級軍医の末森である。塚西恵美子を巡る二人の争い。二人は塚本恵美子の気を引くために競い始める。
 そこに終戦の玉音放送が流れる。アメリカ軍がやって来ると言う。戦争の勝者はどうするのか。楠田は勝者の欲望をよく知っていた。そこで、婦女子の間で20名の人身御供をくじで選ぶこととなる。気の毒な抽選が始まる。ところが何事も起こらずに引き上げの汽車に乗ることとなった。選ばれた20人を見る周りの目。最後まで塚西恵美子に恋慕する末森。そのことに気づく楠田。そして、その最後は。

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