留学を考える

2013年2月11日

留学を考える

私たちは、海外への留学を考えるとき、どのような点に留意すべきなのでしょうか?海外の大学への留学は、年代までは多くの人々にとって「見果てぬ夢」であ り、実際に夢を実現できた人は限られたごく少数の人たちでした。彼らは、大きな経済的な負担を乗り越え、また必要な情報が不足する中で留学の準備をなんと か整え、親や親戚ばかりか地域の人々の期待を一身に背負って留学していました。こうした努力に見合う成果を上げ、周囲の期待に応えるべく、異国に地で勉学 に奮闘努力していた、というのが一般的な昔の留学生のイメージです。
今日、留学は、依然個々人の「夢」ではあったとしても、誰にでも比較的楽に実現できるものとなりました。家庭の経済状況もずいぶんと良 くなり、大学においては留学が制度化され、インターネットの普及により様々な情報が居ながらにして収集できるようになるなど、様々な障害がなくなってきた からです。しかし、留学を具体的に考えるときに、必ず抑えるべき基本ポイントは、今も昔も変わりません。留学がポピュラーになればなるほど、基本的な考え方をしっかり抑えておく必要があります。

1 明確な目的意識があるか

何のために留学するのか、その目的を明確に自覚しておく必要があります。専門知識の習得 (アメリカ研究、国際関係論や心理学などなど)、語学のスキルアップ、異文化体験による人間的成長、青春の思い出作り、日常からの逃避---個人によって その動機と目的は様々でしょう。しかし、ここで考えてみるべき点は、次の二つです。

  • これらの目的は、留学しなければ達しえないものか
  • 留学で成果を上げ、目的を達成するための「具体的な目標」を立てられるかどうか

留学には、多額の経費、貴重な時間、外国で学び生活するときの心身の負担、周到な準備、周囲の理解が必要です。これらに見合う十分な成果をあげることができるかどうか、周囲の人々の意見を聴きながら慎重に検討すべきでしょう。

2 留学に必要な語学力は身についているか

アメリカの大学の授業を受講するには、最低でもTOEFL500点以上の英語力が必要になります。この点数は最低の受講条件であり、授業に参加し、英語で 意見を述べ質問をする、多量の英文を読み、レポートを作成するためには、TOEFL500点で十分というわけでは決してありません。相当の困難が予想され ますので、事前にできるだけ高い語学力を身につけておく必要があります。
語学のスキルアップのための留学であれば、語学力は問われないのかというと、そうではありません。外国語として英語を勉強する時には、入学基準としては語学力は問われませんが、大学生活を送るための英語力が必要となります。

例えば、次の英文は、大学の外国人向けの英語プログラムのオリエンテーションで新入生に配布された文書の一部で、全員が当然理解していなければならない「カンニング(不正行為)」について書かれたものです。この規則に違反すると退学処分となることがあります。
Cheating on classroom or outside assignments, examinations, or tests is a violation of this code. Plagiarism, falsification of academic records, and the acquisition or use of test materials without faculty authorization are considered forms of academic dishonesty and, as such, are violations of this code.

英語のプログラムではあっても大学で学ぶことに変わりはなく、相当の英語力がなければ、英語の習得という点で十分な成果を上げることができないばかりか、大学生活で様々な問題を引き起こすことにもなりかねません。
英語力がある人もない人も、留学を決意したら、すぐにでも全力をあげて英語力の向上に取り組む必要があります。

3 経済負担をどうするか

留学経費の額を正確に算出し、それを負担できるかどうか、慎重に検討しなければなりません。
例えば、アイダホ大学の留学費用の総計は、次のようになります。

[1年間の主な留学経費:アイダホ大学の場合]
授業料・・・・・・・・・・・・・・$3,750 ・・・・・¥450,000(交換・派遣留学では免除)
寮費と食費・・・・・・・・・・・$5,724 ・・・・¥698,880(週10食+50ドルクーポン付)
教科書・・・・・・・・・・・・・・・$600 ・・・・・¥72,000
レクレーション費・・・・・・・$253 ・・・・・・¥30,360(スポーツ施設利用料:任意)
海外旅行傷害保険・・・・・・・・・・・・・・・・¥150,000(概算:日本国内で購入)
往復航空運賃・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・¥270,000(出発日、路線、航空会社によって異なる)
学生ビザ取得費用・・・・・・・・・・・・・・・・¥20,000(東京・大阪米領事館での面接旅が別途必要)
生活費・お小遣い・・・・・・・・・・・・・・・・・¥200,000(月2万円x10カ月)
合計: ¥1,891,240 (一般留学:自費留学)  ¥1,441,240(交換留学・派遣留学)
・上記費用に含まれないもの:パスポート取得代、留学中の旅行経費、その他

*注意すべき点は、留学期間中の長崎外国語大学の授業料は、通常通り納入しなければならないことです。(よって留学で取得した単位は、認定されますので、 3年次までの留学であれば、卒業の延期はありません。)交換留学や派遣留学は、留学先大学の授業料が不要になりますので、実質的な負担増は、生活費(寮 費・食費)、航空運賃と諸経費となります。自宅外通学者であれば、日本での生活費を留学に振り替えることができますので、さらに有利になります。

4 周到な計画と準備

十分な留学の成果をあげるためには、周到な計画を立て、様々な準備をしなければなりません。2年生の秋学期からの留学であれば、留学するかどうかを保護者 やアドヴァイザーと相談の上、1年次の10月頃までに決定し、後の1年足らずで準備をすることになります。準備する事柄は次の通りです。



1年
秋学期
までに
情報の収集 ・留学目的等の検討
・留学オリエンテーションに参加し、留学の概要をつかむこと
・留学費用を検討すること
・留学先大学について研究し、希望大学を考えること
・教職課程の履修希望者は、留学と課程履修の関係について研究すること
留学を決意したら ・保護者、アドヴァイザーの同意を得ること
・心身上の問題(もしあれば)を解決すること
勉学面 ・本学での学びが順調で、標準的な単位を取得すること
・2年次からの選択コースを早めに決めること
・語学力の向上に努めること
・留学先の国、地域の文化及び日本文化について理解を深めること


1年春冬休みから
2年春学期

手続き ・大学の留学制度に応募すること
・決定後は、様々な学内手続きを怠らないこと
・出発前オリエンテーションに参加し、種々の留学手続きを進める