学生カルテ

「学生カルテ」(電子版)の目的

  本学では、従来、紙媒体の学生住所録に、学生および保護者の連絡先・家族・出身校等、学生・保護者との連絡や学生指導に必要な情報を記録し、これを利用して、学生のアドバイザーを務める教員が学生指導にあたっていた。また、学生に対する指導記録や学生情報を教員間で共有するために、紙媒体で指導記録・学生情報を記録した「学生カルテ」も一部の教員の間で利用されていたが、全学的に整備された制度ではなかった。本取組においては、キャリア形成支援を学士教育の柱とし、学生の入学直後から一貫したキャリア形成支援を強化するため、各学生の学業・生活・就職活動の状況や経過についての情報を入学から卒業まで一元的に記録・管理することを可能にする電子化された「学生カルテ」を導入した。

「学生カルテ」の概要

  電子化された「学生カルテ」には、従来、紙媒体で記録されていた各学生およびその保護者の連絡先・家族・出身校・入学試験情報の他、学生指導に必要な情報、学生自身が自己の学修を振り返り、その成果を確認できるようにするための記述項目が設定された。まず、学生の指導にあたる教職員からの意見を集約し、指導に必要であると思われる情報項目を選定して、アドバイザー教員を含む教職員によって記入されるアドバイザー所見(面談記録等)、家庭状況・学生生活情報(学生の現況情報)、入学時プレイスメント成績情報(学業指導のための基礎情報)、留学情報(留学指導のための情報)のフィールドが設定された。さらに、学生自身による学修の振り返りと成果の確認を促すために学生に記入させる項目として、資格試験取得状況・受験歴・取得予定、海外渡航経験情報、進路・目標、外国語学習の目的・目標到達度、国際交流への関心についてのフィールドが設けられた。
  「学生カルテ」を電子化し、学生情報を一元化して管理し、全教職員で共有することにより、従来、個々の教員や部局が管理していた多様で断片的な学生情報を、全教職員が総合的に利用することができるようになった。アドバイザーだけでなく、全教職員が同一の学生情報を共有し、それに基づいて学生を指導することができるようになり、かつ、学生の進級や転学科に伴ってアドバイザーが交代する場合でも、学生情報や過去の指導内容の連絡、指導の引継を円滑に行うことができるようになった。さらに、学生が記入するフィールドを設けることにより、学生自身から積極的に情報提供を行うことができるようになり、自己の設定した目標と目標達成に向けての進捗状況を記入していくことで、自己の学修の成果を定期的に確認すると同時に、アドバイザーを含む教職員に学修成果を報告することができるようになった。

「学生カルテ」の運用状況

  「学生カルテ」には、2009年度以降の入学者について学生情報が入力されている。新入生の学生が「学生カルテ」データベースに登録される時点で、連絡先・住所等の新入生の基礎情報が最初に一括登録され、その後、指導にあたる教職員や学生自身が「学生カルテ」に情報を順次追加し、各学生の記録情報を増やしていく形で運用されている。運用開始当初は、資格試験情報などのいくつかの情報項目において、期待される入力情報とは異なる情報が実際には入力されるなどの不都合が生じたため、メニュー項目から選択する形で入力情報を確定するようにし、情報が正確に入力されるように改善を図った。また、日本人学生の氏名で使用される人名漢字や、留学生の氏名や連絡先情報等で使用される、日本語では使われていない漢字を学生情報として登録するため、文字情報を画像データ化したものを記録することができるフィールドを新設するなどの改善を図った。さらに、アドバイザー所見のフィールドは、当初、1学期あたり1件のみで、1件あたり数百字しか入力できない仕様になっていたが、学生面談情報を記録するためには、1学期あたり複数回の入力が可能でなければならず、1件あたりの情報量も数百字では少なすぎるため、アドバイザー教員からの意見を反映させて、1学期あたりの記録件数を無制限とし、1件あたりの情報量も全角1000字まで増加させる仕様変更を行っている。現在、「学生カルテ」は学生の連絡先の確認、保護者の連絡先の確認、学生面談記録などのアドバイザー所見の記録と共有のためにもっともよく用いられている。

「学生カルテ」の課題と改善点

  「学生カルテ」の電子化とデータベースの共有、学生自身による一部の学生情報の入力は、初めての試みであったため、取組開始後にいくつかの課題が明らかになってきた。
  まず、学生の連絡先情報の更新において問題が生じた。学生の住所や携帯電話番号の変更の届出は、従来は紙媒体の届出様式に学生が必要事項を記入して学生支援室学生係に提出することになっていたが、「学生カルテ」の運用開始後は、学生自身が変更した住所や電話番号の情報を「学生カルテ」に入力するようにした。これにより、従来よりも円滑に、遅延なく学生の連絡先情報を更新することができるようになるものと期待された。しかし、実際に運用してみると、学生が誤った情報を入力したり、個人情報が電子化されることに抵抗を感じる学生が、情報の入力や更新をためらうなどの問題が発生した。また、情報リテラシーの水準も学生によって大きく異なっており、すべての学生が入学当初からオンラインの情報システムを操作できるわけではないということも明らかになった。このため、学生や保護者との連絡のために極めて重要な、学生の住所・連絡先の情報は、従来の紙媒体の届出様式を用いる方法に戻し、職員が届出のあった情報を学生カルテに入力するようにしている。今後も学生や保護者の住所・連絡先情報は学生係職員が管理する予定である。
  次に、利用者による情報入力の負担が大きいという問題が生じた。入力項目は、多くの教職員の多様な意見をできるかぎり反映させようとしたため、入力すべき項目が多くなり、各項目に入力する情報についても正確に入力することが要求されるなど、入力者側から見るとかなり負担が大きいものになっている。特に学生自身が入力しなくてはならない資格試験情報や語学技能目標の項目は、資格試験や語学水準についての知識と具体的な受験計画の作成を要求するため、入力に困難を感じる学生が多く、入学直後の時点で自発的に入力できる学生は少数にとどまっている。このため、学生が自発的に入力できない場合には、アドバイザーが学生面談を行って直接学生にたずねたり、授業で会うときに紙媒体の調査用紙を学生に配布して、調査用紙の質問項目に答えさせる形で「学生カルテ」の記入項目情報を集め、アドバイザーが学生カルテに入力するという方法を実施している。
また、学生の既修得単位および成績の情報を(一部の権限を持っている教員のみ閲覧可能とする設定で)「学生カルテ」上で確認できるようにして、アドバイザー教員が学生指導で必要とする重要な情報すべてを「学生カルテ」上に集約することも計画されたが、学生の教務上の個人情報をネットワーク上で共有することは情報セキュリティ面での問題があると判断され、実施が見送られた。しかし、現在本学が行っている別の取組「全学的就業力育成システムの再構築」の中で、電子化された「学修ポートフォリオ」システムが開発されつつあり、この新システムにおいて学生の成績・単位取得状況情報を閲覧できる機能の導入の可能性が現在検討されている。また、「学生カルテ」の中で学生が記入している学修・学生生活の目標や、目標達成への進捗状況、自己評価の項目は、「学修ポートフォリオ」システムの中でより体系化された形で統合され、本学のディプロマポリシーを反映した評価項目・評価基準に基づいた学生自身による自己評価が記録・蓄積される予定である。

karte.jpg
例. 「学生カルテ」アドバイザー所見欄

《資料》 「学生カルテ」入力項目

学生情報 学籍番号
フリガナ
氏名
性別
年齢
生年月日
入学年度
入試種別
出身校
学生情報(詳細) 所属学科
コース・専修
在籍状態
今学期
高校評定
英評定
記入日
学籍移動 コメント
記入日
本人住所 登録日付
住居区分
住所
電話番号
携帯・PHS
本学アドレス
携帯アドレス
その他アドレス
備考
緊急連絡先 フリガナ
氏名
続柄
携帯電話
勤務先
記入日
保護者連絡先 続柄
フリガナ
氏名
フリガナ
現住所
電話番号
勤務先
勤務先電話番号
記入日
家庭状況 続柄
名前
フリガナ
生年月日
勤務先
記入日
単位履修状況 計画中
単位履修状況
(詳細)
計画中 教学における
特記事項
特記事項
記入日
学生生活 学期
趣味
特技
免許
課外活動
ボランティア活動
交友関係
アルバイト
インターンシップ
記入日
アドバイザー 学期
主アドバイザー
副アドバイザー
アドバイザー所見 学期
登録日
アドバイザー
所見
取得予定の資格 資格名
目標ランク
目標スコア
取得予定日
取得予定月
記入日
資格受験履歴 資格名
ランク
スコア
受験日
合否
記入日
入学時プレイスメント
成績
整備中
日本語プレイスメント
成績
整備中 パスポート 国籍
在留資格
在留期限
パスポート番号
外国人登録証明書番号
次回確認申請期間
留学 留学形態
渡航開始年
渡航開始月
渡航終了年
渡航終了月
留学国
記入日
海外渡航経験 渡航先・概要
渡航開始年
渡航開始月
渡航終了年
渡航終了月
記入日
将来の進路、目標 学期
就職
進学
その他
記入日
学生生活の
目標と評価
学期
外国語運用能力
コミュニケーション能力
国際・異文化理解能力
IT能力
リーダーシップ
主体性
協調性
論理的思考力
創造性
実行力
記入日
伸ばしたい能力は
どの程度伸びたか
学期
外国語運用能力
コミュニケーション能力
国際・異文化理解能力
IT能力
リーダーシップ
主体性
協調性
論理的思考力
創造性
実行力
記入日
外国語を学習
する目的
専修外国語
外国語を運用する目的
第2外国語
外国語を運用する目的
記入日
卒業までに希望する
到達度
(専修外国語運用能力)
会話力
文法力
読解力
聴解力
作文力
語彙力
記入日
卒業までに希望する
到達度
(第2外国語運用能力)
会話力
文法力
読解力
聴解力
作文力
語彙力
記入日
入学目標に対しての
自己評価
学期
自己評価
記入日
高校時の課外活動 生徒会役員
体育関係
文化関係
その他
記入日
国際交流への
興味・関心
国際交流の興味・関心
記入日
その他(備考) 特記事項
記入日
イメージデータ      

 

携帯電話をご利用の方は、こちらのQRコードを読み取りアクセスしてください。